本文へスキップ

Ri棚田学会
Rice Terrace Research Association

rrce Research Association
                  棚田学会賞 

学会会則入会の方法
理事の紹介
棚田学会誌
棚田通信
棚田学会賞
第10回石井進棚田学会賞(平成25年度)

石井進記念棚田学会賞選考委員会報告
第10回石井進記念棚田学会賞の受賞者が棚田学会賞選考委員会 (平成26年5月2日開催、堀口健治委貞長、高木宏明委員、宮元均委員、担当理事山岡和純)において、推薦があった団体について学会賞規定に則って慎重かつ厳正に審査を行った結果、2着を棚田学会賞授賞候補者として、6月28日開催の棚田学会理事会に報告し、同理事会の審議を経て、次
の2着へ授賞が決定された。
1. 受賞者
(1)株式会社えふぶんの壱・放送番組「NHKスペシャル天空の棚田に生きる?秘境雲南?」制作班 (東京都港区赤坂 7−川19伊藤ビル4階)(2)
(2)和歌山県立有田中央高等学校「アグリ☆スマイル」 (和歌山県有田郡有田川町大字下津野459)

2.業績名および授賞理由
(1)株式会社えふぶんの壱・放送番組「NHKスペシャル天空の棚田に生きる?秘境雲南?」制作班
業績名:放送番組「NHKスペシャル天空の棚田に生きる?秘境雲南?」の制作と放送
授賞理由:放送番組「NHKスペシャル天空の棚田に生きる?秘境雲南?」制作班 (安原歩ディレクター)による本作品は、中華人民共和国雲南省紅河恰尼(ハニ)族葬(イ)族自治州での丹念な現地取材に基づき、哀牢(アイラォ)山南麓山腹の広大な斜面に拓かれている棚田での米作りを生業とするハニ族の生活と文化を追っている。そもそも棚田は、単に米を生産する場としての役割のほかに、国土や環境を保全し、水資源を涵養して流域の水循環に貢献し、地域の独自の文化を育む場であり、様々な生き物の棲み家や美しい景観を提供するなど、多くの機能を発揮している。本作品は、こうした棚臼の多面的な価値を具体的かつわかりやすく、一般視聴者に紹介している。
 本作品が措くハニ族の棚田は、哀牢山腹の標高1300mから1800mにかけて、東京ドームの一万倍の面積に相当する総面積?万4千ha、その数は300万筆に及ぶものである。広大な棚田の四季は、春の田植えから緑の絨毯が日々色濃く染まり、秋の稲刈り時には一面が黄金色に変わる。そして稲刈り後の冬も満々と水を湛える棚田は、この地域の水循環を支えている。すなわち、哀牢山に降った年間1、400m前後の雨は、山の頂を覆う森林で受け止められ、幾筋もの渓流となり、用水路に導かれ、人々が暮らす集落の中を流下する。そこでまず、さまざまな生活用水として利用された後、豊富な水は下流で無数の水路に分かれて棚田に導かれる。棚田は水を貯えながら、棚田そのものが水路となり、上の段から下の段へ、水を落としていく。強い日差しに照らされて、棚田の水は蒸発し、それが雲を作り、また哀牢山に雨を降らせる。そうした水を中心とするエコロジカル・サイクル・システムの中に、この地域の稲作と瞭尼族の人々の暮らしがあるのだ。
 もともと遠く離れたチベット高原の遊牧民であったハ二族の祖先は、戦乱を避けて各地を転々とした後、約1300年前この地に辿り着き、最初は谷あいの低い地域で暮らしたが、高温多湿の気候に適応できず、山を登り高い地域に移住して棚田を拓いた。以来、他の少数民族と平和共存しながら、気の遠くなるような歳月をかけて棚田を一段ず拓き、「米を作るために働き、その米を食べて、また働く」という、持続可能性の高い絆社会を引き継いできたのである。
 このように、棚田の持つ大きな役割、価値と魅力を余すところなく一般視聴者に伝えた本作晶の社会的意義は極めて高く、棚田学会の理念とも一致するものであり、棚田学会賞を授賞するに相応しいものと認められる。

(2)和歌山県立有田中央高等学校「アグリ☆スマイル」
業績名:中山間地域の農業と暮らしに関する研究活動
授賞理由:「アグリ☆スマイル」は、和歌山県立有田中央高等学校の農業クラブであると同時に、同校の生徒が組織し運営する模擬カンパニーでもある。
 農業クラブとしては、従来の学校クラブ活動と同様に、果樹や花井、野菜等の栽培について、授業と並行して取り組んでいる。平成21年には、地元の中山間地域で、高齢化により耕作を断念していた水田での米作りを始め、稲作を通じて地元住民や近隣小学校とも連携し、交流の輪を広げながら活動を行っている。平成23年の紀伊半島豪雨での体験を契
機に、災害ボランティアとして水害の恐ろしさを肌で感じるとともに、農地の耕作放棄と水害との関係や棚田等の耕作放棄の実態について理解を深め、耕作放棄地への家畜の放牧を実践して関係農家の意見を収集した。また、耕作放棄地を巡る問題などを考える同県の「水土里のむら再生支援事業」 の一環として2年生の生徒14名が参加して棚田での田植
え体験を実施し、地元のマスコミにも紹介さた。
 一方、高校生模擬カンパニーとしては、農業クラブ23名で組織し、農業科の教師を相談役とする他は社長以下の生徒が勤め、同行をサポートする地域協力会(地域住民、、PTA会員、同窓会会員、教職員で構成)を模擬株主としている。自立した社会人として地域活性化に貢献できる将来の人材を育成することをカンパニーの目標とし、主な事業
内容として農産物品評会・文化祭の活性化、並びに6次産業モデルプランの作成を行っている。具体的に前者では、出品数の減少が課題となっていたことから、中山間地域で自分たちが栽培した農産物を計15点出品し、特別賞入賞目指して放課後だけでなく休日も栽培管理に取り組んだ。また、後者では、トウガラシ、ミカン、サンショウ、ショウガ、シ
ソ、ゴマなど県内の中山間地域の特産品を使用した七味唐辛子による6次産業化モデルプランの作成に2年前から取り組み、100人以上の協力を得たティスティング、改良に工夫を凝らした製品の飲食店での試験的使用等を経て、各方面から高い評価を得て、原料の生産から加工、流通、販売まで研究活動を深めている。活動については模擬株主総会で報告し
評価を受けて資金的、人的な援助を受けるとともに、様々な機会を利用して外部にも説明し高い評価を受けている。
 このように、単なるクラブ活動の枠組みを超え中山間地域の棚田を主要な場として、地域の農業と暮らしを活性化するための研究活動を精力的に進め、その成果を多くの関係者と共有する取り組みは高校生として傑出しており、棚田学会の理念とも一致するものであり、棚田学会賞を授賞するに相応しいものと認められる。



                  ページの先頭に戻る




















トップページ棚田とは棚田学会とは棚田学会行事棚田情報写真館図書等リンクお問い合わせ