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Ri棚田学会
Rice Terrace Research Association
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                  棚田学会賞 

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棚田学会賞
第4回石井進棚田学会賞(平成19年度)
1.受賞者 
  (1)蕨野棚田保存会(佐賀県唐津市相知町) 
  (2)丸山千枚田保存会(三重県熊野市紀和町)

2.業績名及び受賞理由
  (1)蕨野棚田保存会(佐賀県唐津市相知町)
  業績名:「ブランド米の生産販売を核とした棚田保全活動と都市住民との交流
  授賞理由:蕨野の棚田は8.5mという日本一高い法面の石垣を誇っている。それは標高差580m、平均傾斜度1/4という急峻な地形での米作りを可能にした、長年にわたる石垣棟梁をはじめとする地元農民の知恵と労働の、偉大な記念碑である。とはいえ、実際の農作業の厳しさのため、高齢化した農業者から負のイメージをもたれ、次第に耕作放棄が目立つようになった。
 こうした状況のなか蕨野地区では、平成8年に中堅グループが中心となって「住みよい蕨野づくりマップ」が作成され、これに触発されて1000枚、40haに及ぶ蕨野の棚田を守るために、若手農家グループが中心となって、 美味しく安全な米作りによって地域の活性化を図る運動が開始された。そうして、平成13年には、棚田米「蕨野」の生産農家によって「蕨野棚田保存会」が結成されたのである。減農薬・減化学肥料栽培の棚田米「蕨野」は、同保存会によるマーケティング活動等の甲斐もあって、ブランド米として付加価値を獲得しており、棚田米の生産に弾みがついている。
 地域内外の応援団も増加している。同保存会を中心に、蕨野地区役員、婦人会、消防団ほかの団体役員等で「棚田と菜の花実行委員会」が結成され、都市住民との交流会事業を積極的に展開している。また平成15年には佐賀大学農学部と相知町との間で棚田保全に関する協定が締結され、学生らによる耕作放棄田の再開墾・耕作が続いており、農学部学生の教育にも貢献している。
 このような、棚田耕作者による蕨野棚田保存会を中心とした、地域の多様な団体、佐賀大学農学部、都市住民等が連携した棚田保全の活動は、棚田地域と都市地域の双方住民のニーズにマッチするものとなっており、同団体は「石井進記念棚田学会賞規定」に照らして、棚田の保全に資する顕著な業績を挙げている団体と認められる。村稲渕棚田ルネッサンス実行委員会」に負うところ大である。

  (2)丸山千枚田保存会(三重県熊野市紀和町)
  業績名:「先人が築いた貴重な文化遺産「丸山千枚田」の復元と都市住民との交流」
  授賞理由:慶長6(1601)年の紀州藩主浅野氏による検地で、すでに2240枚もの棚田が確認されていたとされる地域住民の棚田への誇りと愛着は強い。しかし昭和30年代以降、由緒ある棚田も耕作放棄によって平成初期には530枚にまで減少した。平成5年、この状況に憂えた丸山区民は紀和町長との協議で「先人が築いた貴重な文化遺産を長く子孫にまで引き継いで行こう」との想いを一致させ、同年「丸山千枚田保存会」を発足させ、翌年には「紀和町丸山千枚田条例」(現:熊野市丸山千枚田条例)を町議会で制定した。棚田復元の努力は直ちに開始され、4年後には810枚の荒廃棚田が美田に復元され、また「田植え祭り」や「稲刈りの集い」も開始され、さらに平成8年から  棚田オーナー制度が設けられ、毎年100名前後のオーナーが都会から訪れて棚田の耕作作業と美しい棚田景観を楽しんでいる。
  このような棚田保全運動開始の経過からもうかがわれるように、本地区において地元住民と地域行政との充実した連携体制が構築されていることである。熊野市(旧紀和町I)は条例に基づき、千枚田保全のため「(財)紀和町ふるさと公社」を設立し、そこに複数の担当職員を配置し、また同公社への「保全委託料」支出という形で、保全会を中心とした保全活動を支援している。地元の入鹿中学校との連携も特筆される。同校生徒は、学校指定の棚田での米作りに励むと共に、不慣れなオーナー達の田植え指導等の応援ボランティアとしても活躍し、オーナー達に喜ばれている。こうした状況に呼応して、三重大学農学部の学生が「丸山千枚田ワーキングホリデー」と称して除草作業、獣害対策作業、などを実施し、交流した地元の住民からも作業負担の解消になると感謝されている。
 このように丸山千枚田保存会は、地域内外における多様な主体間のパートナーシップの形成と保全活動の中心的存在となっており、その活動業績は全国における棚田保全活動を大いに励ますものであると判断され、同団体は「石井進記念棚田学会賞規定」に照らして、棚田の保全に資する顕著な業績を挙げている団体と認められる。

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