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Ri棚田学会
Rice Terrace Research Association

rrce Research Association
                    棚田の意義

棚田の定義
棚田の起源
棚田の意義
棚田の種類
文化的景観
世界遺産
世界農業遺産(日本)
 棚田は米を生産する場としてだけでなく、様々な機能や文化的価値が近年注目されています。社団法人農村環境整備センターは、「棚田の多様な役割」として、以下のように整理しています。

1.食糧の生産
米を作る生産の場として見れば効率が低いといわれますが、棚田の米が美味しく、上質米であることは科学的にも根拠があります。一般的には

1.平坦地の水田に比べ昼夜の温度差が大きいため、稲がゆっくりと熟すること
2.水源に近いため、水の中に微量元素を多く含み、また汚れが少ないこと
3.土地が狭いのでコンバインで収穫・脱穀して籾を機械乾燥できないため、籾 がついた稲束をはさ掛け(天日乾燥、はざ、とも言う)にすることが多く、程良く 乾燥すること、

などが理由です。  

2.水源の涵養(かんよう)
《水源かん養・保水機能》
豪雪地帯以外の棚田の多くは、後背地の山林に降った雨を自然河川、あるいは溜池や用水路などの灌漑施設を経由して取り入れ貯留します。このため、山林から棚田が拓かれると、棚田やその背後の山林に降った雨を地上に滞留させ、あるいは地下に浸透させる水源かん養・保水機能が向上します。また、豪雪地帯では棚田に積もった雪の雪融け水を貯えます。 

                
       (佐賀県農政部のパンフレットから引用)

3.国土保全
《保水機能》

大部分の棚田は、河川や溜池を水源とする灌漑施設をもっています。日本では、国土の70%を占める山地に降った雨は、自然のままだとすぐに海へ流れ込んでしまいますが、棚田はこのような水を等高線に沿う用水路「横向きの川」といわれる)に取り入れ、すぐに流出させず、迂回、滞留させる役割を果たしています。

《洪水調整機能》
大雨時には、棚田やその背後の山林に降った雨の一部は棚田に貯留され「小さな治水ダム」の役割りを果たします。
仮に畦の高さを30a、普段の平均水深を3aとすると、全国の棚田の総面積は約22万1000fを掛けると、洪水調節容量は5.9億立方bとなります。
これは黒部ダムの有効貯水量1.5億立方bのほぼ4倍にあたる量です。

《地すべり防止機能》
地すべりは、厚い粘土層に覆われた山間傾斜地などで、雨水が地下に浸透して発生します。地すべり地帯に拓かれた棚田は、田起こしや代かきなどの作業によって耕盤と呼ばれる土層を作り、地下への浸透水を減らします。
ところが、棚田が耕作放棄されると、耕盤が乾燥して亀裂が生じ、雪融けや大雨の時などに大量の水がこの亀裂から地下に浸透して、地すべりを誘発することがあります。

4.自然環境の保全
《生物多様性・生態系保全機能》

平地の大きな田んぼでは、コンクリート製の近代的な用水路と排水路が別々に作られていることが多く、水の流れは一方通行で、一旦排水路に流れ出た水は同じ田んぼに再び戻ることはありません。これに対して、棚田地域では、用水と排水を兼ねた水路や、土で作られた水路や畦畔が残っていて、生き物が成長に応じて田んぼと水路を行ったり来たりすることが可能です。また、溜池や湿田などの水たまりも多く、周囲の自然環境との補完性、水質の良さなどの理由から、多種多様な小動物、昆虫、植物が複雑な生態系を築き上げています。
体長約15ミリ・世界最小のハッチョウトンボや、コオイムシ、ゲンゴロウ、カエルなどが棲む生き物の宝庫。
絶滅危惧種の3割は田んぼの生き物といわれますが、棚田にはこれらの生き物がまだまだ元気で棲息していることが多いのです。

 体長15mm。世界最小のハチョウトンボ


5.保健・休養の場の提供、農業体験を通じた健康・安らぎなど
《保健休養機能》
山々に抱かれながら代々受け継がれ、命の源である米を実らせてきた棚田のたたずまいは、見る人の多くに悠久の歴史の重みとともに安堵感を与え、棚田をめぐる清涼な水や澄みきった空気とも相まって、コンクリートジャングルの中で疲弊した都会の人々の心を癒し、リフレッシュする効果を発揮します。

《社会教育機能(農業体験)》

農作業の体験や豊かな自然環境にすむ動物や植物とのふれあいを通じて、人間と自然との関わりを学ぶとともに、自然の恵みを生かす知恵や工夫を学び、身につけることが出来ます。


「棚田で田植え」
栃木県茂木町「岩の作棚田」で、地元の中川小学校児童の田植え



「初めての田んぼ」
東京都府中市本町の東京農工大学の田んぼで


6.景観や文化資源の提供 独特の景観美/伝統的稲作技術・民族文化など
《景観(日本の原風景)形成・提供機能》
弥生時代以来の水稲耕作の歴史によって作り出された水田風景を中心とした農村景観は、日本人の文化的原風景といえます。なかでも棚田地域は近代化が遅れたため、開田当時の景観や、手植え、はさ掛けなどの伝統的農作業体系が受け継がれ、日本人が育んできた昔からの里山の風情を色濃く残しているところであり、最もわたしたちの心を揺さぶり、安らぎを与えてくれる原風景の一つと考えられます。 

 (c乳深真美)

《伝承文化継承機能》
棚田をめぐる地域の取り組みを通じて、山岳地域の稲作や衣食住にまつわる習俗、民俗文化、慣習、儀礼、伝統芸能、祭祀、信仰等、各地域独特の有形・無形の伝統文化財を守り伝えています。



島根県・石見地区に伝わる収穫祭の出し物・石見神楽。(c神戸市在住 田中哲二)

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