トイレから「下水やドブのような嫌な臭いがする」という経験はありませんか?トイレが臭いと不快な気持ちになってしまいますよね。
トイレの臭いには様々な原因がありますが、今回はトイレの下水臭さの原因や、解決方法について解説します。
トイレが下水臭い原因は排水トラップの故障や不具合
トイレが下水臭い時の主な原因は、排水トラップの故障や不具合です。
「排水トラップ」とは、配管の途中に設けられ下水管の嫌な臭いを遮断し、室内へ臭いが進入するのを防げための装置、または構造のこと。「トイレ封水」という言い方もあります。
洋式・和式どちらのタイプであっても、水洗トイレの便器口には常に一定量の水が溜まっているのを見たことがあると思います。
なぜ、このような仕組みになっているのかと言うと、常に水を溜めておくことで、水が蓋のような役割をして下水管の臭いや、コバエなど害虫の進入を防ぐためです。
便器内の水がなくなり「封切れ」状態になってしまうと、水で下水管から上がってくる悪臭を防げなくなり、トイレが下水臭くなってしまいます。
急にトイレの臭いが気になるようになった、いつもとは違う嫌な臭いがトイレ内に立ち込めているという時は、排水トラップの故障・不具合が原因かもしれません。
まずは、排水トラップが正常に働かなくなる原因について解説します。
①長時間放置による水の蒸発
長期間に渡ってトイレを使わない状態が続くと、便器内の水が蒸発し封水切れを起こしてしまいます。
1ヶ月程度であれば特に問題ありませんが、2ヶ月もの期間使用しないでいると、水量不足により悪臭や害虫が発生してしまう可能性も。
長期間自宅を開ける際は、便器に蓋をしておくか、ラップなどで密閉しておけば蒸発を防げます。
②トイレ排管内の気圧変化による水量不足
マンションなどでよく起こることなのですが、排水管内の圧力の低下により、トイレ封水の水位が下がってしまうことがあります。
これは、通気管が設置されていない場合や、排水管のサイズが合っていない場合に起こります。
排水管のサイズが適切で、通気管が設置されており、排水管のサイズが適切なトイレでは、このような現象は見られません。
このような状態を改善するには、通気管の設置や排水管の交換が必要です。
また、建物によっては、床排水トラップが備え付けられているところもあります。これは、床下排水管の内部に設置されるもので、お椀を逆さにした形のタイプが一般的です。
このタイプの排水トラップの場合、故障や老朽化による不具合が原因で機能しなくなってしまうと、臭いを遮断できなくなってしまいます。
その他にも、トイレの下水臭さの原因には次のようなものがあります。
- 排水路での毛細管現象
- 通気管の不具合
- 自己サイホン作用
- ユニットバスタイプの場合、お風呂の排水口から悪臭が逆流することも

トイレの水の流れが悪い時はこちらのページを参考に点検してみてください。
トイレが下水臭い時の解決方法3選
トイレの下水臭さを改善するために、自分でも簡単にできる解決方法を3つご紹介します。
①水を流してみる
下水臭さの原因が排水トラップの不具合の場合、水位が落ちているので、トイレのレバーをひねって水を流してみましょう。
基本的に水を足せば、下水からの悪臭や害虫の侵入を防ぐといった排水トラップの役割は果たせます。
②トイレ内の空気を循環させる
トイレ内の気圧の関係で嫌な臭いが上がってくることがありますので、
- トイレの窓を開ける
- 換気扇を回す
- 吸気口を開ける
など、空気を循環させてみましょう。
気圧の関係で一時的に下水から臭いが上がってきたのなら、これだけで気にならなくなるかもしれません。
③排水トラップが破損していたらトイレの修理業者に依頼
長期間トイレを使用しなかったなど、単に封水不足が原因の場合は、水を足すことで解決できます。もし、床排水トラップの故障や老朽化などが原因の場合は、水道業者に依頼して排水トラップの交換をしてもらいましょう。
自力で床排水トラップの交換をしようと考える人もいるかもしれませんが、床面を裁断したり、セメントによる復元処理、防水処理など、かなり高度な施工技術を必要としますので、専門知識がない状態で行ってしまうと、思わぬトラブルに発展してしまう可能性も否めません。
安心安全に排水トラップの交換をしたいなら、トイレ工事のプロに頼るのがベストな解決策です。